社会保険の被扶養者の収入について

個人

社会保険の被扶養者については、一定の親族関係を有し、主として被保険者により生計を維持し、原則として日本国内に住所を有するものをいうと定義されています。(健康保険法3Ⅶ)
ここでは、「主として被保険者により生計を維持」という収入条件についてご説明いたします。

被扶養者の収入基準

被扶養者として認定されるための収入基準については、次のような内容が通知されています。(昭和五二年四月六日保発第九号・庁保発第九号)

① 年間収入が130万円未満であること

認定対象者の年間収入が130万円未満で、かつ被保険者の年間収入の半分未満であれば、原則として被扶養者になれます。
ただし、認定対象者の年間収入が被保険者の半分以上であっても、認定対象者の年間収入が130万円未満で被保険者の収入を上回らない場合において、被保険者の収入によって生計を維持していると日本年金機構が認められるときは、被扶養者になることができます。

② 別居の場合は仕送額で判断

認定対象者が被保険者と別居している場合には、年間収入が130万円未満で、かつ被保険者からの仕送り額より少ないときに被扶養者になることができます。

③ 60歳以上は180万円未満

認定対象者が60歳以上、または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合には、年間収入の認定基準が「180万円未満」となります。

年間収入について

この年間収入については、国民年金法における認定基準の運用が採用されています。(昭和六一年四月一日庁保険発第一八号)
「年間収入」とは、認定対象者が被扶養配偶者に該当する時点での恒常的な収入の状況により算定すること。したがつて、一般的には、前年の収入によつて現在の状況を判断しても差し支えないが、この場合は、算定された年間収入が今後とも同水準で得られると認められることが前提であること。
なお、収入の算定に当たつては、次の取扱いによること。

  1. 恒常的な収入には、恩給、年金、給与所得、傷病手当金、失業給付金、資産所得等の収入で、継続して入るもの(又はその予定のもの)がすべて含まれること
  2. 恒常的な収入のうち資産所得、事業所得などで所得を得るために経費を要するものについては、社会通念上明らかに当該所得を得るために必要と認められる経費に限りその実額を総額から控除し、当該控除後の額をもつて収入とすること
  3. 給与所得(給与、年金、恩給等)は、控除前の総額を収入とすること

失業給付金について

ここでは、失業給付金について確認したいと思います。
会社を退職して無職となった場合でも、失業給付金を受給する場合には、ここでの年間収入に含めて、被扶養者の判定を行うことになります。
失業給付金の受給額については、「基本手当日額×所定給付日数」で算出します。
算式中の「基本手当日額」については、「離職日の直前6か月の賃金の合計額÷180」に50%~80%を乗じた金額となります。
そして、被扶養者に認定されるための年間収入については、実際の失業給付金の受給額ではなく、この基本手当日額で判定します。
つまり、失業給付金の「基本手当日額」が3,612円以上の場合には、失業給付金を受給している期間は、年間収入130万円を超える期間とみなされるため、待期期間を除いて被扶養者になることができません。

最後に

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