役員社宅で節税のご提案!

法人

役員に社宅を無償で貸す場合には、役員としては社宅を利用できる経済的利益を会社から受けることになるため、通常支払うべき使用料に相当する額が給与として課税されることになります。
しかし、通常支払うべき使用料に相当する額よりも少ない、賃貸料相当額を役員が会社に支払うことで、給与としての課税はありません。
このことがなぜ節税になるのか、賃貸料相当額とはいくらなのかについてご説明いたします。

なぜ節税になるのか

役員社宅とすることで、なぜ節税につながるのかについてご説明いたします。

  1. 「住宅手当」として金銭を支給するのではなく、「社宅」として現物(社宅を利用できる経済的利益)を支給し、賃貸料相当額を会社が受け取ることで、役員個人については、給与としての所得税が課税されません。
  2. 社会保険料の負担増を抑えることもできます。「住宅手当」として金銭を支給する場合には、社会保険料の標準報酬月額にそのまま計上することになりますが、「社宅」として現物を支給する場合には、「畳1畳1,780円(大阪府)」として計算した金額から役員の家賃負担額を控除した金額を、社会保険料の標準報酬月額に計上することになります。
  3. 社宅に関連する費用を会社の経費にすることで、法人税の節税につなげることができます。
    会社が社宅を購入する場合には、不動産取得税、登録免許税、登記費用、修繕費、固定資産税、社宅取得のための借入金利子などの費用が会社の経費になります。
    会社が住宅を借りたうえで社宅として役員に貸す場合には、会社が家主に支払う家賃や賃貸仲介手数料などの費用が会社の経費になります。

賃貸料相当額はいくらなのか

役員から受け取るべき賃貸料相当額はいくらなのかについて、

①小規模な住宅、②小規模ではない住宅(自社所有)、③小規模ではない住宅(他人所有)、④一般的には社宅と認められない住宅の4つに分類して説明いたします。

小規模な住宅

小規模な住宅とは、「法定耐用年数が30年以下の建物の場合には床面積132㎡以下である住宅」と「法定耐用年数が30年超の建物の場合には床面積99㎡以下である住宅」を指します。
一般的な鉄筋コンクリート造の建物については、99㎡以下であれば小規模な住宅に該当します。なお、区分所有建物の場合には共用部分の床面積を共有持分で按分したものを加えたところで床面積の判定を行います。
次に、小規模な住宅に該当する場合には、次の(1)から(3)までの合計額が賃貸料相当額になります。

  1. (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
  2. 12円×(その建物の総床面積㎡/3.3㎡)
  3. (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
    ※固定資産税の課税標準額とは1月1日における固定資産の価格として固定資産課税台帳に登録された価格によるものとされています。(国税庁:質疑応答事例)

小規模ではない住宅(自社所有)

小規模ではない住宅で自社所有の社宅の場合には、次の(1)と(2)の合計額の12分の1が賃貸料相当額になります。

  1. (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%
    ※なお、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には12%ではなく、10%を乗ずる
  2. (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%

小規模ではない住宅(他人所有)

小規模ではない住宅で他人所有の社宅の場合には、次の(1)と(2)の合計額の12分の1が賃貸料相当額になります。
ただし、会社が家主に支払う家賃の50%が最低金額となります。

  1. (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%
    ※なお、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には12%ではなく、10%を乗ずる
  2. (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%

一般的には社宅と認められない住宅

いわゆる豪華社宅である場合には、通常支払うべき使用料に相当する金額が賃貸料相当額になります。
豪華社宅に該当するか否かの判定については、家屋の床面積が240㎡を超えるものについては、住宅の取得価額、支払賃貸料の額、内外装その他の設備の状況等を総合勘案して行います。
また、家屋の床面積が240㎡以下のものについては、プール等のような設備又は役員個人の嗜好等を著しく反映した設備等を有するものが豪華社宅に該当するとされています。

【参考】所得税法基本通達36-40、36-41、平成7課法8-1、質疑応答事例(源泉所得税)

最後に

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