使途秘匿金の法人税の取扱いについて

法人

相当の理由がなく、支払先の氏名等を帳簿書類に記載していない場合には、使途秘匿金として、支払金額の40%相当額の税額を追加で納税することになります。
今回は、使途秘匿金の法人税の取扱いについてご説明いたします。

使途秘匿金の判定時期

使途秘匿金に該当するかどうかの判定時期については、原則は事業年度終了の日と規定されています。(措令38Ⅰ)
そのうえで、確定申告書の提出期限において帳簿書類に相手方の氏名等が記載されている場合には、事業年度終了の日においてその記載があったものとみなすと規定されています。(措令38Ⅱ)
つまり、使途秘匿金の判定時期は、確定申告書の提出期限ということになります。

使途秘匿金の法人税の取扱い

支払先がはっきりしない支出については、損金の額に算入しないこととされています。
この点については、法人税法基本通達において次のように記載されています。

(費途不明の交際費等)
9-7-20 法人が交際費、機密費、接待費等の名義をもって支出した金銭でその費途が明らかでないものは、損金の額に算入しない。

さらに罰則として、使途秘匿金に該当する場合には、支払金額の40%相当額の税額を追加で納税することとされています。(措62)
なお、使途秘匿金については、相手方の氏名等を帳簿書類に記載していないことが相手方の氏名等を秘匿するためでないと認めるときは、税務署長は使途秘匿金の支出に含めないことができることとされています。(措62Ⅲ)

そのため、実務においては、帳簿書類に相手方の氏名等が記載されていないからといって、直ちに使途秘匿金として処理されるわけではありません。
使途秘匿金といっても、実際は社長が個人的に使い込んでいるケースが大半で、実態に即して役員報酬や貸付金として処理されるものと考えます。

なお、役員報酬として処理される場合には、源泉所得税の納付漏れによる不納付加算税や、渡切交際費としての定期同額給与に該当しない場合の役員報酬の損金不算入といった点についても考慮する必要があります。

最後に

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