棚卸資産の消費税の調整

消費税

免税事業者が新たに課税事業者となる日の前日において所有する棚卸資産のうち、納税義務が免除されていた期間中の課税仕入れ等に係るものがある場合、その棚卸資産についての課税仕入れ等の税額は、課税事業者となった課税期間の課税仕入れ等に係る消費税額とみなして仕入控除税額の計算の対象となります。
ここでは、インボイス方式の導入に伴い、登録事業者を選択し、免税事業者から課税事業者となった場合における、棚卸資産の消費税の調整についてご説明いたします。

インボイス登録日について

免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日の属する課税期間において、令和5年10月2日以後にインボイス発行事業者となる場合には、「適格請求書発行事業者の登録申請書」に登録希望日を記載する必要があります。(30改正令附則15Ⅱ)
この登録希望日については、申請書提出日から15日経過日以後の日として事業者が希望する日とされていますが、登録希望日を記載した登録申請書を提出することで、年又は事業年度の中途からでも登録することができます。
なお、実際に登録が完了した日が、登録希望日後であっても、登録希望日に登録を受けたものとみなされます。(30改正令附則15Ⅲ)

棚卸資産の消費税の調整について

免税事業者が課税事業者となった場合には、棚卸資産の消費税について、一定の調整を行うこととされています。(消36)
そして、インボイス導入に伴い、登録事業者を選択し、免税事業者から課税事業者となった場合には、登録開始日を基準にして、棚卸資産の消費税について調整することとされています。
この点については、平成30年改正消令附則17において、次のように経過措置が規定されています。

(納税義務の免除を受けないこととなった場合の棚卸資産に係る消費税額の調整に関する経過措置)
第十七条 消費税法第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者が、二十八年改正法附則第四十四条第四項の規定により消費税法第九条第一項本文の規定の適用を受けないこととなった場合において、登録開始日(二十八年改正法附則第四十四条第三項に規定する登録開始日をいう。次条において同じ。)の前日において消費税を納める義務が免除されていた期間中に国内において譲り受けた課税仕入れに係る棚卸資産(消費税法第二条第一項第十五号に規定する棚卸資産をいう。以下この条において同じ。)又は当該期間における保税地域(消費税法第二条第一項第二号に規定する保税地域をいう。)からの引取りに係る課税貨物(消費税法第二条第一項第十一号に規定する課税貨物をいう。)で棚卸資産に該当するもの(これらの棚卸資産を原材料として製作され、又は建設された棚卸資産を含む。)を有しているときは、消費税法第三十六条第一項及び第二項の規定を準用する。この場合において、同条第一項中「又は第十二条第五項」とあるのは、「、第十二条第五項又は所得税法等の一部を改正する法律(平成二十八年法律第十五号)附則第四十四条第四項」と読み替えるものとする。

最後に

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